寝てる。


ご飯だって呼びに来たのに、どうしよう。




「レイヴーン、ごっはんだよー」



ベットですやすやと眠る男は声をかけても一向に起きる気配はない。

うーん。無理に起こすのもアレだし、寝かせて置こうか。どうしよう。
最近戦闘多かったし、レイヴンは皆のこと良く見て前線に出たり援護したり、くるくると動くから多分一番気使って疲れてるんだろうなぁ。
自分のことおっさんだとかいうくせに一番動いてるのはあなたですよ。

そんな彼を起こすのはなんだか忍びない。




もう一度、彼の顔を覗きこむ。
あまりに気持ちよさそうなので、思わず顔が緩んでしまった。

じーっと、顔を観察していると、意外に整ってるとかまつげ長いとか色々発見できて面白い。
ほっぺたを指でつんつんと、つつくと「うー」と嫌そうな顔をした。



「ふふ、可愛い」



ゆっくりと頭を撫でると、少し口元が笑った気がした。


なんだかもう我慢できなくなってしまって、ゆっくりと顔を近づける。

いっつもされてばっかりだから、反撃です。
でも恥ずかしいから内緒でね。いつかの練習と言う事で!

少し悪い気もするんだけど、ごめんねと思いながらゆっくり目を瞑った。



だんだんと距離が近づいて、あと10cm・・・




5cm・・・・



3・・・





1・・・









ちゅ。




と、音が出るかでないか。

唇に触れて、すぐに離れる。起きてないよね?ばれてないよね?
…うん、よし。あ、なんか今更恥ずかしくなってきた。顔熱い。




「ごちそうさまでした」

照れたのを隠すように少し呟いて、起きない様に部屋をこっそり出た。









お寝坊さんには、内緒の愛を。







「・・・お粗末さまでした」
ベットの中の男は、布団をかぶって顔を赤くした。







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